【2026年最新】インフルエンサー脱税はなぜバレた?反面調査とSNS時代の落とし穴

税理士の田崎・伊澤がお届けする、経営を強くするための税務・会計コラムです。

2026年に入り、1.5億円の脱税で世間を騒がせたインフルエンサー、宮崎麗果氏が
SNSを再始動したという話題が広がりました。

かつて投稿されていた高級バッグや高級車の写真が削除されている――そんな噂もあります。

しかし、私たち実務家の立場から言えば「今さら消しても遅い」というのが本音です。

税務当局は、投稿が削除される前の証拠をすでに把握している可能性が高いからです。
今回の件は、単なる“有名人の不祥事”ではありません。
すべての経営者にとって他人事ではない、極めてリアルな教訓が詰まっています。


架空外注はなぜ一瞬でバレるのか

税務署の最強カード「反面調査」

今回問題視されたのは「架空の業務委託費」。
請求書や領収書を形だけ整え、「ハンコもあるから大丈夫」と思ってしまう経営者もいるかもしれません。

しかし、そこに落とし穴があります。

税務署には反面調査という強力な手法があります。

これは、

  1. 会社側が「外注費として支払った」と計上
  2. その相手先に直接出向き
  3. 「その金額を売上として計上していますか?」と確認

するものです。

経費と売上は表裏一体。
こちらが経費にしているなら、相手は売上にしていなければ辻褄が合いません。

もし、

  • 相手が売上計上していない
  • そもそも事業実態がない

となれば、書類が整っていても一発で矛盾が露呈します。

「紙がある=セーフ」ではない。
相手方との整合性まで見られる。

これが反面調査の本質です。

SNS自慢が“おいしい案件”になる理由

国税が見るのは「購入原資」

高級バッグやスーパーカー。仮に仕事用の可能性があったとしても、国税がまず注目するのはそこではありません。

見るのは――購入原資です。

  • そのお金はどこから来たのか?
  • それに見合う所得を申告しているのか?

例えば、個人で数千万円の買い物をしているなら、

  • 会社から多額の役員報酬を受け取り
  • それに対する所得税をきちんと納めている

必要があります。

もし役員報酬が少ないのに派手な生活をしていれば、

  • 所得を隠している
  • 誰かから贈与を受けている

といった疑念が生じます。
どちらにしても、税務上の問題は避けられません。

SNSは「自慢の場」であると同時に、資金の裏付けを問われる証拠の宝庫でもあるのです。

SNS時代の税務調査はどう進化しているのか

こうした噂も耳にします。

「SNS専門チームがある」
「朝6時にマルサが来る」

正式な部署名として“SNS専門”があるわけではありませんが、
デジタル分析に強い専門官が存在し、投稿内容と申告データを照合する体制が整っているのは事実です。

また、強制調査の場合、

  • 証拠隠滅を防ぐ早朝
  • 出社直後の不意打ち

といったタイミングで動くのは鉄則。裁判所の令状を携え、一気に踏み込むケースもあります。

「見られていないだろう」は、最も危険な思い込みです。


まとめ:まじめが最強のリスク対策

今回の事件から学ぶべきことは、シンプルです。

  • 架空経費は必ず整合性で崩れる
  • SNSは証拠になる
  • 購入原資は必ず追及される

結局のところ、正しい帳簿管理と根拠ある節税が最短ルートです。

普段から、

  • 透明性のある取引
  • 実態に即した契約
  • 数字と生活水準の整合性

を保っていれば、税務調査は怖くありません。

派手さよりも、堅実さ。
近道に見える裏道ほど、リスクは大きいのです。

SNS時代の経営者に求められるのは、
“映える経営”ではなく、“説明できる経営”。

それこそが、強い会社をつくる唯一の方法なのです。


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投稿者プロフィール

田崎裕史
田崎裕史
■ 田崎 裕史(たさき ひろぶみ)
税理士/ベネフィットグループ代表

池袋に事務所を構える税理士。
大学卒業後、大手食品総合商社に勤務するも、入社した会社が事実上倒産するという経験を通じて、「絶対に会社をつぶしてはいけない」という強い想いを持ち、税理士の道へ。
自らも中小企業経営を行う経営者として、
中小企業全般の経営改善・仕組み化・IT化・バックオフィス支援に力を入れている。
信念は「中小企業こそ、強くなれる」